8th

08 - 銀行つぶしの時代

三橋: 結局じゃあ、政府の負債って何がボトルネックになって発行できなくなる、要は増やせなくなるのかというのを考えたときに、少なくとも残高じゃないですよ
太郎: リミットは何か
三橋: そうです。それはリミットはありますよ。ありますがそれは残高じゃないですね。ひとつは『金利』ですね

「あ、このへんのデータ、いろんな人に見せてるけどみんな面白がってくれるので面白いシーンだと思います。だからぜひ見てください」
『そうなんですか?』
「『うーん』とか『おー』ってリアクションがあった。そこって面白いところだと思うんだけど、違う?」
『あー、ぼくも声出ましたね。スイスのところとか』
「でしょー。あ、そうだ。金利が上がると何で発行できなくなるの?」
『返済する分もありますからね。それにリスクがあると金利が上がります』
「買ってくれなくなるんだ」
『はい』

太郎: この金利がいま下がり続けているのにかんして、結構、地方の銀行がいま悲鳴をあげているじゃないですか
三橋: そりゃそうですよ

「地銀の状況について、実感としてどう?」
『かなりきついです。統合されていくでしょうね。マイナス金利で目に見えない出費があって、貸す人もいません。今は銀行つぶしの段階なんだと思います。昔は絶対つぶれないものだと思われてましたけど』
「そうなんだ」
『さっきバブル期に国債の長期金利が 6% ってありましたけど、昔はたしか都市銀行で金利 7.7%、住宅ローンの金利 9.6% でしたよ』
「きょぺー!」


「ええと、このあと国債は日本円建てだからギリシャやアルゼンチンみたいに破綻しないとか、金をどんなに刷っても借りる人がいないから全然インフレにならないとか、すでに財政健全化が達成されてるとかあるんだけど、聞いてすんなり理解できたのでとくに質問することはありません」
『そうなんですか』
「うーん、金本位制時代の日本を知ってる人なら疑問が出てくるかもしれないけど、私は景気が良い時代を知らないし」
『あー…』
「あとはこのへん見てて、なんでこの先生はこれだけちゃんとしたデータ出せるのに昔 ひどい本 出してたんだろって不思議に思う。お金に困ってたのかな」
『うわ、これはいただけませんねえ』
「今もやってるのかな。名前だけで弾いちゃう人も Twitter で見かけるし」
『あなたはお金に困ったらこういうビジネスに手を出すんですか?』
「え、それってさっきのひどい本みたいな?」
『はい』
「うーん…それって心を売るってことでしょ?」
『あなたの意に反することならそうなるでしょうね』
「わかんない…極限まで追い詰められても犯罪をしないとは言い切れないし…そこまで追い詰められずに済む社会であってほしい…」
『お、いい答えですね』



© 2019 jamcha (jamcha.aa@gmail.com).