13 - 経営は人です
「なんかこの先生の動画見てたら、チャンネル桜の動画が結構おすすめに出てくるんだけど、みんないかつい顔してて怖い」
『そうなんですか』
「藤井聡教授とか水島総社長とか、アウトレイジの出演者みたいだよ」
『情けない状況に怒る、というのが政治番組ですから』
「…」
メタルだ。メタルと同じだ、と思った。
人生がイヤになって孤独で空しい気分のとき、メタルを聴くと救われる。苦しみや怒りを誰かと分かち合えるからなんだ ―― デビルズ・メタル
【三橋貴明×山本太郎】Part3 日本人を貧困に突き落とす東京大学名誉教授〇〇〇
動画も終盤に入り、景気を誰が決めているのか説明がなされる。
『この三橋って人、東大ですか?』
「違ったと思うけど。あ、タイトルの人ならこの後に出てくるよ」
「吉川学長は私が入門で読んだ 『経済学講義』 を書いた飯田准教授の先生です」
『はあ』
「社会保障政策の柱になってる人なのかな?福田内閣のときにできた『社会保障国民会議』、民主党政権の『社会保障改革に関する集中検討会議』の一員で、現政権の景気動向指数研究会の座長です」
『へえ。よく調べてますね』
「でしょ?でも彼が書いた 『人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長』 を読んだら不安になった。財政出動できないと、マクロ経済学のエキスパートでさえ『イノベーション』しか言えなくなっちゃうんだって思ったら怖くなった」
『言い過ぎじゃないですかそれ』
「だって経営者が『イノベーションだ』って連呼してたら信用できないもん」
『経営は人ですよ』
ぽつりと、それでいて力強く C202SA が言った。おお、金言だ!たぶん。
私は心の中で興奮しながら言った。「経営は人ですか」
『経営は人です』
最後に、財務省がなぜ緊縮を求めるのかが説明される。
「法律変われば財務省も変わってくれるのかな。『国民の生命および財産を守るため』とか『経済発展のため』とかに変えてさ」
『どうでしょうね』
三橋: もちろん、自民党にも安藤裕衆議院議員はじめわかってる人はいるんだけど、やっぱり国民のほうで反緊縮財政の声を盛り上げていかなくちゃ、ちょっとどうしようもないなあ、と
「これで動画おしまいなんだけど、どう?全体通して、評価とか」
『うーん』私の問いに、C202SA の反応は思わしくなかった。
『どうですかね。あんまりうまくいかないと思いますけどね』
そう言うと、ぶつっと、まるで何かが断ち切れたように C202SA が気配を失った。
「…」
時間切れだ。もっと話したい。話したかった。無機質なコンピュータを前に、私は胸に鉄板を押しつけられたような痛みを感じていた。
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